上田女子短期大学同窓会「生涯学習講習会」が開催されました。
11月17日(土)に「生涯学習講習会」が開催されました。 第1回目は、「エコアプローチ造形〜松笠は未来のエネルギー?〜」のテーマで笹井が講師を務めました。参加者がやや少なかったのですが、卒業生の方々の消息や近況の情報を交換しながら和気あいあいの内に終了することができました。参加者の皆様、並びにお手伝いの皆様に感謝いたします。
さて、今回の耳慣れないテーマについて説明いたします。
これは、私がライフワークとしている「エコロジー(実学)アート(虚学)を結びつけることの矛盾解消を目的にエコアプローチ造形として美術教育的側面を持たせるために開発した教材の中の松笠シリーズの総称です。「?」が付されているのはあくまでアートだからです。
写真は松笠シリーズの「動くクモ」です。松笠は笠下に種を抱えています。よく晴れた日に種を遠くに飛ばしたいと見えて雨にぬれると笠を閉じ種を守ります。松笠が乾いて開いた状態の時に竹ひご製の足を8本付けます。それを水に漬け笠を閉じさせ、松笠が持ち上がった状態が撮影されています。松笠が開いている時の足の位置は松笠より上にあります。
松笠はそのユニークな形状や素材としての強さなどから造形素材としてさまざまな場面で見ることができますが、それらは見立てとしての利用です。自然を観察すると植物が持っている構造に気が付きます。それを感動が伴った美術作品として見える形にしたいと考えているのが私のエコアプローチ造形です。
この「生涯学習講習会」と同日の午後には、本学恒例のコンサートシリーズとして蓼科高校ジャズバンドの華やかなステージがありました。来年度はより多くの会員の皆様に思い出の校舎で楽しい一日を過ごしていただくことを願っています。本学同窓会の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
幼児教育学科 笹井 弘
笹井 弘
1952年生まれ。長野県出身。
1979年東京芸術大学大学院修了。
第28回現代日本美術展などで受賞ほか、個展、グループ展など多数開催。
19年より本学で「図画工作」「造形表現指導法」「美術文化論」等を教授。
また、美術・家庭菜園・少林寺拳法サークルの顧問。