• F-mail賞2009年第2回入賞作品


    F-mail賞2009年第2回入賞作品イメージ(クリスマス)

     お待たせしました! 平成21年度第2回F-mail賞の入選作品を発表します。

    今回は81作品の応募をいただきました。とりわけ松本蟻ヶ崎高校、松代高校文芸部、福島県立石川高校のみなさまからは多数の応募をいただきました。ありがとうございました。

     厳選なる審査の結果、下記の入選作品が決まりました。おめでとうございます。

     今回は恒例のクリスマス特集ということで、例年同様、恋愛をテーマとした作品が数多く寄せられました。その一方、「不景気」「事業仕分け」など世相を反映した語句も見られ、クリスマスをテーマとしない自由題の投稿も目立ちました。

    今回優秀賞となった小林綾子さんの「オレンジの花」は戦争をテーマとした作品で、表現への意欲に満ちあふれています。

    佳作は計6編。根本詳子さんの詩は話し言葉風の文体でありながら、ことばに対する鋭い感覚が光っています。渡辺さつきさんの作品はリフレインが効果的に用いられており、工夫の跡がうかがわれます。横山絢香さんの短歌は「肩凝り」を初句に据え、あえてクリスマスの語を詠まなかった点に新味を感じます。鈴木みのりさん・田中はるなさん・西村芽位さんの作品も若々しい表現が印象的で、今後の可能性に期待したいと思います。

     過去の総評でも何度か述べていることですが、詩についてはぜひタイトルをつけてみてください。作品の印象がずいぶん変わってくるはずです。

     平成15年度よりスタートしたF-mail賞ですが、今回をもちまして応募を終了させていただきます。たくさんの方々にご投稿いただきましたことを、心から感謝しております。ありがとうございました。

    (上田女子短期大学 F-mail賞係)

    最優秀賞

    該当者なし

    優秀賞

    ○松代高校1年 小林 綾子
      オレンジの花

    高く暗い空に銃の遠吠えが鳴り響く

    蒼く清廉な空はどこかへ消えて

    紅く燃え上がる炎が空を焼き払う


    子供たちの手に握られたv

    オレンジの花は舞い上がり

    炎の中へと消えていく


    儚く散ってゆくそれを

    子供たちは指差して何を希むのか

    紅く染まってゆく空に

    何を見るのか


    いつか子供たちも

    その手に銃を握る日が来るのだろう

    紅い空が蒼に戻る日は

    手に手を重ねる日々は

    もう戻ってはこないのかもしれない


    突きつけられる銃口に脅える日々は

    いつ終わるのだろう


    子供たちが銃を手にしたその時も

    オレンジの花は

    この地に舞ってくれるだろうか


    風に舞うオレンジの花

    戦禍に染まった地に

    子どもたちはまたオレンジの花を手にして

    紅い空へと放つ


    願いと祈りを込めて

    佳作

    ○石川高校2年 鈴木 みのり

    真っ白な雪が降って

    黒く踏みにじって

    水に変わっていく春まで


    新しくつけた足跡を消すように降る

    雪のように

    次々と 新しいことを積み重ねてゆく


    春になって

    すべてが水となって流れてしまわないように

    しっかり 確かに

    足跡をつけてゆこう

    ○松本蟻ヶ崎高校3年 田中 はるな

    この声が枯れるくらいの大声でスキと言いたいクリスマスの日

    ○松本蟻ヶ崎高校3年 西村 芽位

    きらきらと光る電飾見つめてる二人の笑顔が雪溶かしてく

    ○石川高校2年 根本 詳子

    「運命」とか

    「永遠」とか

    私はそんな簡単に言えないよ

    あなたには言えないとか

    そういうんじゃなくて

    どんなことも「運命」って言葉で

    ひとくくりにされてしまうのがイヤなの

    先のことなんてわからないのに

    一時の感情だけで口にした「永遠」なんてイヤなの

    そんな簡単な誓いなんていらない

    そんな言葉より

    ただ

    あなたの隣にいたい

    ○松本蟻ヶ崎高校3年 横山 絢香

    肩こりのその原因はまだ秘密君想い編める紺のマフラー

    ○松代高校1年 渡辺 さつき
      Full moon

    求めているものは 何一つない

    ただ未来永劫輝いていてほしいだけ

    なにも変わらず 輝いていてほしいだけ

    けれど その願いは 叶わない

    いつも同じ 時間がくると 失われる

    黒い影が ソロソロと忍び寄り

    全てを覆い 隠し 奪い去る

    だけど大丈夫 また還ってくる 必ず

    輝きを満ちさせ 優雅に 儚げに

    いつも同じ 時間がくれば 現れる

    白い光で すべてを照らしながら

    だけど いつも願いは 届かない

    世界の秩序が ある限り 願いは 届かない

     以上、ご入選おめでとうございました! (上田女子短期大学 F-mail 賞係)


    ※発表にあたり、添削を施した場合があります。ご了承ください。また、発表順は五十音順とし、敬称は省略させていただきました。